ヤマハ (プレスト) YZF-R6 2017年モデルが納車されたお話、慣らし中のユーザー微インプレ | アーカイブ
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ヤマハ発動機から日本市場向けには販売が行われていない車両を、輸入し取り扱う「プレストコーポレーション」から現在販売が行われている「YZF-R6 2017年モデル」が納車されているので、そのお話と現在慣らし中のユーザー微インプレを記載します。
ご存知の方はご存じかとは思いますが、私はヤマハから販売が2017年現在も行われているYZF-R3に今まで乗っていました。
既に譲渡してしまったのですが、譲渡時には丁度26000kmで、南は御殿場、北は宗谷岬まで色々走ってくれました。2回ほど北海道と仙台を往復してくれ、とても乗りやすく良いオートバイだったと感じています。
以前記載した大型自動二輪免許取得の理由として、実はYZF-R6 2017を予約が済んでいた上で、納車日までにはなんとか免許を取得しようと頑張った記録ではありました。
YZF-R6 2017について
YZF-R6
YZF-R6は599ccの所謂スーパースポーツのカテゴリに属されるオートバイとなり、600ccと言うカテゴリの中で、市販車レースやその他のストックレース等で利用される為に販売が行われている車両で、このまま色々な微調整をしてレースに出れる事を売りにしている車両ではあります。
日本国内での国内仕様地モデルの販売は原則行われておらず、「プレストコーポレーション」(以下プレスト)と言う貿易会社より取り扱いがされています。
プレストにより国内に輸入されているYZF-R6 2017は黒・青は南アフリカ、白はオーストラリア仕様となっていますが、どちらもヨーロッパで販売されている物と基本仕様(型番)は完全に同じものです。
前モデルとの違いはスタイリングはもちろん、足回りやクイックシフターを標準装備、また環境規制のEURO4に対応する為若干の出力規制が行われているものの、エンジン部分については前のモデルとほぼ同一となっています。
車両重量は装備重量で190kg、普通二輪教習車のCB400SFよりも軽い・・・。
しかし600ccと言った排気量は、日本では400cc以上となりますので”大型自動二輪免許”を取得していなければ乗る事が出来無い為、しぶしぶ大型自動二輪免許を取りに行っていた次第でした。
逆輸入車?
YZF-R6の2017年モデルは、全ての仕様地モデルが日本で生産されているものの日本国内仕様向けがありません。
それにより、ヤマハ発動機としては”YZF-R6”について原則日本で販売を行っていない車両となることにより、基本的には国内で正規に入手が不可能なモデルであります。
仮に正規に入手が出来ないYZF-R6のような海外仕様地向けの車両を、何とかして日本国内で登録・走行させる為には、一度海外へ出荷された車両を日本に輸入し、輸入車として日本で登録を行う形を取れば日本で正式に乗り入れる事が可能で、日本で生産された車両を海外へメーカーが出荷し、第三者がその車体を輸入するこの一連の流れを経た車両が”逆輸入車”として扱われます。
ただ、このような逆輸入車は原則保証規定等もその仕様地のヤマハ発動機に準ずるため、中々サポートを受けるのが厳しく、そのモデルのパーツ入手が輸入でしか不可能なため困難で有ったり、リコールを受けるなど、その他保守を受けられないと思って購入するしかないものとなります。
これは携帯電話の輸入品と同じで、実に当たり前の事ではありますよね。
しかし、プレストはこの一連の逆輸入の手続きを経たうえで、リコールやパーツ提供・その他保守を実施できる環境を揃えた上で、新車としてヤマハ発動機の海外仕様地向けの車両を国内で販売してくれています。
このプレスト取り扱い車両は、ヤマハ発動機正規ディーラーである「YSP」やその他プレスト取り扱い販売店にて日本仕様向けの国内販売モデルと一緒に、正規取り扱い車両としてラインナップされており、国内仕様モデルを購入するのとほぼ同等の手続きやその他保守を行ってくれます。
この正規取り扱いであるプレスト車両のYZF-R6が今回納車されたと言う形になります。
プレストとは?
もともとプレスト車両は日本仕様で純正状態にて去勢されてしまったスーパースポーツ車両の本来の姿であるヨーロッパモデルや北米モデルを日本を販売したり、国内で販売されていないヤマハ発動機のモデルをニッチな需要を受けて輸入販売するための貿易会社だと認識しています。
どこでそんなスピードや馬力をフルで使うんだと言った話は置いておいて、ヨーロッパや北米モデルではスピードリミッター180km/h制限もないですし、馬力に於いても日本仕様向けは今までは規制が厳しい事から比較的抑えられてしまい、更に日本でのスポーツ車両の販売台数も芳しくない事から”日本仕様向け”を作ること自体、「売れないのにコストを掛けて日本仕様で売る為に去勢している」→「スポーツ車両を購入するユーザーは去勢された物は欲しくない」→「売れない」と言った負のスパイラルに陥ってしまったことにより、2015年からヤマハ発動機は公道走行可能な1000ccスポーツ車両の正規取扱をまた止めてしまいました。
そこでプレストが出てくるのですが、この逆輸入車での実質正規販売の仕組み、抜け道としては上手くできていますよね。
メーカーが公式でやるものではないとは思いますが、別会社と言う体を取ればその部分もクリアになりますしね。
プレストとヤマハ発動機は一切資本関係が無いとの事ではありますが、プレストとヤマハ発動機はパーツリストのアプリのUIがほぼ共通で有ったり、プレスト車両の不具合・修理にヤマハ発動機本社の社員がYSPに直接確認しに来たり、無関係としつつも色々な話を聞きます。
ここで資本関係があるとなってしまうと国からの締め付けが厳しくなってしまったり、輸入車の登録上の規制が強化されてしまう可能性があるんでしょう。
なぜR6?
正直私としては、フルカウルのスポーツ型であり、装備がしっかりしていて、現代の灯火類であるLEDがヘッドライトに標準採用されている車両であれば中型規格(400cc)以下でも良く、そこそこオートバイで出かけるので、その上でなるべく車両重量が軽く、取り回しがいい物であることを最重要視していました。
また以前乗っていたR3で取り回しなどの不満はなく、むしろ良かったと思っているのですが、唯一不満だったのが車体の装備で、何とかして倒立フォーク・・・何とかして・・・等々色々考えていると、出来なくはないが自分の技術不足と面倒さ、またその他のバランスや純正状態から大きく崩す事の価値を下げてる感がとても心苦しいので、それだったら今のを売却して、買い替えた方がいいなと思ったところでした。
また、出荷状態から崩すようなカスタマイズ等も出来れば余りしたくないと個人的に思っているので、なるべく純正状態で納得できるものが良かったです。
それらを考えてスポーツ型の市場が盛り上がっていた20年ほど前に販売が行われていたホンダの”RVF400 NC35”なども十分検討したのですが、装備や機関が唯一無二で最高ではあるものの、年代的にハロゲンヘッドライトが標準で、その他メーターや各種の電装など、その時代では精一杯だった事が私の中では結果的に古臭く感じてしまいまい、中々手が出せませんでした。
しかし、まだR6 2017が公開されていなかった2016年9月時点で考えた買い替える先と言うと、自分のこだわりで出来れば地元のYSPで買えるもの(国内正規かまたはプレスト)であり、スポーツ型のフルカウルであり、灯火類LEDで、また車両重量が軽い物、となるとそんなものはない・有るとしたらYZF-R1 2015~ (2CR)(それでも200kgで重いと思いますが)と言う状態であったため、現状は乗り換える先はないなと思っていました。
唯一の希望としては、R1ライクのデザインで、R6が販売されれば絶対買う!と個人的なツイッターを探ると2015年11月には既に思っていたようなので、その通りの物が2016年10月に発表されてしまった事により納車はもう規定事項だったような気がしないでもないです。
唯一R6 2017で不満な点と言えば、メーターがR1 2015のTFT液晶メーターとは違い、タコメーターが針な所でしょうか。
こちらは個々人の好みによると思いますし、逆に針なのが寧ろいいと言う人も居ますしね。
価格
プレストコーポレーション取扱の車体価格は税込”1,566,000円“、ここに登録料や諸経費が発生しおおよそ”1,709,170円”ほどがおおよその乗り出し定価です。
逆輸入車なので、日本国内を走行させるための登録に大きく手間が掛かります。それにより諸経費が高くなってしまいますね。
ここから割引等が店舗によって違いますが、正規取扱車の逆輸入車だと登録の手順等は全てプレストから案内があるようなので、登録料金等の値引きなどは少ないように感じます。
私の購入先はYSPなので、YSPの場合は通常2年付帯の新車保証が+1年されており、今後希望であれば追金で+2年、合計5年の新車保証を付帯できます。
また、今回もR3と同様YSPでのメンテナンスパックを付帯しているので3年分の点検内オイル交換、エレメント交換、点検代が付帯しています。
上記のような内容が有るので、YSPだとあまり値引きが期待できないかもしれませんね。
私は上記に加えて免許取得がまだだったので、YSPでの免許取得サポートを利用し、車体価格から50000円割引されています。
販売店を選ばず、出来るだけ安くプレスト正規の車体が欲しいと言った話であれば、2017年7月現在だと乗り出し165万円ほどが現在は在りますね。
ただ、プレスト車両はブルーとホワイトは販売店入荷予約で完売であり、ブラックのみ販売店経由でプレストが現在受注を受けているようです。
その為、ブルー・ホワイトは販売店の在庫限りで、仮に在庫完売となった場合は2018年モデルに期待するしかないと言った状況でしょうか。
また、今後プレスト以外の事業者が並行輸入した車両が出て来る可能性が有ります。
此方の場合、更に安価に販売される事があるかと思いますので、R6 2017を狙っている人はそちらも検討してみると良いかもしれませんね。
予約から乗り出しまで
流石に170万なので予約も凄い悩みました。国内仕様のMT-10が普通に買えますし、車だって中古車を考えたら余裕で良いものが買えます。
ただ現状、私自身は満足している車も所持しています(S660がとても気になってはいましたが)し、MT-10は個人的には求めてないカテゴリだったので、買うならR6と言うのは間違いない確信でした。
また、このようなオートバイに乗れるのも20代の今のうちと言う事も十分わかりますし、車は今後の人生でいつでも乗れるからいいかなと感じたのもまた決めてしまったきっかけではあります。
R3を買った当時も、R3を探してはいたものの中々在庫が無く、購入先のYSP仙台がオープンした時点で即在庫があるとの事だったので、この時も普通二輪の免許を持っていない状態で購入してしまいました。
予め父親にR25・R3の試乗をしてもらって感想を貰ってはいましたが、自分自身は免許が無いので試乗も出来ず、実際その日に購入するとも思っていなかったので割とビビり気味でしたが、何とか免許取得も済み、1年半共に色々走ってくれましたね。
実はR6もまたそんな感じではありました。プレストの予約開始日に即とは流石に行きませんでしたが、R3に乗っていた時も「次乗り換えるなら試乗してしっかり決める!」なんて言っていたのを自分でも覚えているので、あの時の自分にまた無理だったよと伝えてあげたいです(泣)
今回は流石にローンですが、R3の時は一括購入だったので譲渡が楽だったと言う事もまた後押しがあったのしれません。
また、この予約完了からがとても長く、予約が確定したのが2017年3月26日、YSP仙台に配車されたのが2017年6月9日、納車されたのが2017年7月4日でした。
納車までに実質3か月ほど掛かりましたね、特に登録に時間がかかったのが辛い感じでした。
そもそも免許も無かったので、逆に丁度良かったのかもしれませんね(笑)
R6が店舗に配車されてくるのも偶然見れて、こんな感じで送付されてくるんだと感心しました。
納車日は友人二人に付き合ってもらい、店舗まで車で送迎してもらいました。(ありがとうございます><)
雨が降ったり止んだりと割と不安定な天気でしたが、路面も乾くレベルまでタイミングよく晴れ、とても運がよかったように感じます。
正直天候が良くなるまで待っても良かったのですが、YSPの定休日やその他自前でコーティングや、取り付ける予定だった各種パーツなどを早くやってしまいたいと言うのが有ったので急いでしまいましたが、次の日に全てパーツやその他を取り付け完了し、今現在走っている状況となります。
YZF-R6 2017 BN6 慣らし中で今まで乗ってみて
私個人が感じている感想なので、個人差が有るとは思いますが、購入検討の方は参考にしてください。
納車されて、2017年7月現在1380km「もう慣らし終わっとるやんけ!」と感じるかとは思いますが、まだ1600kmまでR6は慣らしが有るようです。
慣らしは1000kmまで8300回転縛り、1600kmまで9900回転縛りと取説に記載がありました。
実際最近のモデルは慣らしが必要ないとも言われていますが、取説に書いてあるうえに今後後悔したくないし、念のため行ってます。 🙂
スタイリングの好み
取り合えずR6はヤマハ自身がYZF-R3やR25からのステップアップとして作っているモデルらしいので、”ヤマハ”自体が特に好きという訳では無いですが、その話を聞くとまんまとヤマハに乗せられてる感が凄いですね・・・。
しかしどちらにしてもオタクブルーが好きなオタクなので、好みなカラーであるブルーメタリックはヤマハしかない状況から選択肢に入ったことから、デザインのヤマハらしい新型のフォルムに惹かれ、購入に至っています。
取り回し
車体を車庫から出す際の感覚は、YZF-R3は169kg、YZF-R6 2017は190kgなのでおおよそ20kg増なのですが、最初はYZF-R3と比べて若干重く感じたものの、慣れてきた今だとあまり何も意識せず車庫からの出し入れができ、私が大型の二輪車で懸念に思っていた乗り出しが苦と言った事はないですね。
倒立フォークと言う事もあり、ハンドルの切れ角がR6だとR3比でだいぶ狭いぐらいでしょうか。
私の場合の足つき
乗車後についてシート高が850mmと言う事で、悲しいことにホビットな私としては両足が着きません。
ただ、現状今まで乗ったうえでR3とは感覚が大きく違うと言う事はなく、片足がちゃんと付いていれば特に問題ないかなと今のところは感じています。
信号待ちについても特に困ったことは今のところはないですね。
ただ、両足が着いていないと乗車状態での後退が不可能になるので、後退が必須のシチュエーションでは降りなければ立ちゴケしてしまう雰囲気が凄いです。
なので後退する場合は念のため降車しています。(そもそもそう言ったシチュエーションにならないように心掛けてはいますが)
ポジションやコーナーでの走行
R3ではアップハンドルな純正ポジションがどうしても気に入らず、ハンドルを下げた上でバックステッププレートにより姿勢を純正よりは下げていましたが、R6の場合、取り合えず現状の純正でいいかなと思えるレベルの姿勢・ポジションでした。
また、R3ではどちらかと言うと無意識とは言えハンドルで曲がってたんだなと実感するレベルでR6では平地での回転・Uターンがしにくくいものの、ワインディングや峠道でのカーブが格段に楽しくなりました。
R3だと意識してバンクしながら曲がっていくようなイメージでしたが、R6だと寧ろちゃんとバンクしないと曲がっていかないので、自然とフォームが矯正される感覚です。
これがバイクに乗らされていると言う事なのでしょうか(笑)
走ってる最中の感想
正直乗り始めは「ポジションがキツイな~」なんてありきたりな感想しか浮かばなかったのですが、むしろしばらく乗っているとそんな感想は吹き飛び、4ストローク直列4気筒のエンジン音を体で感じる事が出来るのはとても気に入りました。
特に5000回転からのエンジン音が最高です。
ただ、なんだかんだ言っても姿勢はキツいようで、長時間乗車でケツと手首と首が痛くなってきます。
乗り方を直せと言われればそれまでなのですが、この苦痛はこのモデルだと標準装備のアップのみのクイックシフターで緩和できますね。
渋滞や市街地をタラタラ流している時にクラッチを使わず体を起こした状態でシフトアップが出来るのはとても楽です。
使うまでは特に必要ないとは思ってましたが、このようなモデルだと確かに嬉しいですね~、むしろシフトダウンも欲しくなってきました。
また、流石に日中は足首の辺りから熱風が凄いと言うぐらいでしょうか。SSですし、こんなもんですかね。
トラクションコントロール
また、YZF-R6 2017から3段階のモード設定と、トラクションコントロールが装備されています。
トラクションコントロール(TCS)は念のため安全を取って常時6番に設定(一番強い?)してますが、OFFにしても違いが良くわかりません。
先日6設定でワインディングを走っていたらようやくTCSランプが点滅しました。
恐らく点滅している状態がTCSが動作していると言った表示なんでしょうけど、と言う事は点滅していなければTCSは動作していないんですかね?
2017年度モデルのGSX-R1000を試乗した際はTCS設定最大設定で少しバンクしただけでTCSランプが点滅しまくっていたので、点滅しないR6は動作しても点滅しないもんだと思っていましたが、メーカーごとに味付けが違うんでしょうね・・・。
3段階モード
3段階のモード設定はヤマハ他車と同じようにAモード、STDモード、Bモードの3種類あり、一番パワフルなモードがAモードとなります。
Bモードは加速力がない反面、スロットルを少し開けるようなアクセルワークを多用する場合はギクシャク感がとても少ない為、市街地などでは乗ってて疲れにくい印象を受けました。
Bモードはどちらかと言えば雨モードとして扱われているようですが、市街地でのストップアンドゴーを繰り返したり、渋滞の中適当に流すなど、そのような操作を沢山するシチュエーションであれば最適ですね。
Aモード、STDモードだと加速力がBモードよりは高いので、(私自身が)疲れてない元気な時、加速が必要な時にのみ選択する形を今は取ってますね。
高速走行時はどのモードでもあまり変わらない気がします。
また、このモード選択は電スロでのスロットル開度で調整しているようなので、スロットルを開けている最中は変更出来ないですが、スロットル全閉であれば走行中でも操作が可能でした。
2016年以前のR6はモード選択が無いのですが、常にAモードのような感じなんでしょうか。
個人的にはこのモード選択に恩恵を受けていると思っているので、機会が有れば是非2016年以前のR6にも乗ってみたいですね。
今後
取り合えず人生で一番高い買い物なのは間違いないです。
今後また時間を見つけて色々な所へ行きたいとは思いますが、安全運転でマージンを取った走行を心掛けて行きたいですね。(既に大雨走行もしました・・・。)
余りカスタマイズはしたくないのですが、R3と同様純正状態で銀色の部分が気に入らないので、その部分を自然に潰すカスタマイズは行っています。
それらの事はまたビデオ等も交えながら次回記載したいと思ってます。
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