スバル製サンバーを購入しました:③ エンジン清掃・分解・再組立てまで | アーカイブ
※当記事は過去ブログのアーカイブとなります。
前回はサンバーを引き取り、不動、方針決定までを記載しました。
今回はエンジンを清掃し、分解、再組み立てまでを記載します。利用したパーツ名称、パーツ番号も記載しますので良ければ参考にどうぞ。
エンジンの分解と再組立ては初めてであり、色々と手際は悪いですがご勘弁ください><
エンジン引き取り
前回記述した通り、9万円ほどで落札ができたエンジン+ATミッション+補機類が発送され、西濃運輸の営業所に到着した為引き取りに行きました。
この時はまだサンバーが不動となっていなかったので、貨物車として仕事をしてもらい、一式を友人や西濃のおじさんに手伝ってもらいながら車内に積み込みました。
パレット積みではあったのですが、サンバーバンのリアゲート開口部の横幅がパレット積みでは積み込むのが厳しい状態で、パレットから降ろしたうえでエンジン本体でのみ積み込みを行っております。
エンジン分解
車載のまま分解
積み込んだまま一式で降ろせればいいのですが、重すぎるので車内ですべて分解する方法で対応しました。
元々搭載されていた車体は平成14年式のサンバーとの事もあり、若干外装に古さはあるものの、8万キロ走行と言う内容には偽りはないかなと感じられる状態でした。
エンジン内部のスラッジも少ないほうで、思っていたよりも状態は良かったです。
また、分解時に一通り外している内容の写真を撮っておいて正解でしたね。組み上げる位置、特にエンジンハーネスの取り回しが特に恩恵を感じられました。
エンジン内部にはある程度のオイルとクーラント液は入ったままでした。分解の際に漏れ出したりはしましたが、敷いてあった段ボールなどに染み込んでくれたので、ある程度は助かりました。
タイミングベルトとウォーターポンプを見ると割と新しめに感じました。特に貼り付けシール等はなかったのですが、交換済みだったのでしょうかね。
ヘッド一式を外すとピストンの頭が見えます。ここもスラッジは少ないほうでしょうかね。
エンジンとミッションの分離を行うのですが、トルクコンバーターとエンジン側のプレートを外さずに分離してしまうとATFがトルクコンバータ側から漏れ出してしまいます。私は気にしていなかったので漏れてしまいましたね。
ミッションは分解等をしないので、このままサンバーに乗せっぱなしにしました。
ここでエンジンのシリンダー側はサンバーから降ろせるほどの重量になりました。それでも重かったですが・・・。
この作業を行っていた間もサンバーはまだ動いていたので、エンジンを乗せたまま走行させていました。ミッション破損の原因はそれも有ったのかもしれませんね。
室内で分解
室内にブルーシートを敷いてエンジンを分解します。エンジンスタンドや外と直結した良い感じの作業部屋が有ればいいのですが、生憎そう言う環境はないので腰を痛めながら室内に入れました。
トルクコンバータを外し、クランクシャフトのオイルシール状況を確認します。
つなぎ目の部分から確かに漏れていましたね。丸いオイルシールもさることながら、クランクシャフトを抑えるパーツのシーリングをする繋ぎ目に入れるゴムパーツがカチカチでした。そりゃあ漏れますわ。
オイルパンを外し、クランクシャフト側からピストン等を外していきます。
素人目では特に問題があるようには見えませんでした。
ピストン横のコーティングもまだ少し残っていました。
すべて分解した後は洗浄を行います。
サンエス(オイルクリーン)漬けで洗浄
分解したもの一式をサンエス漬けで洗浄をします。
100円ショップで購入した収納皿を桶替わりにし、エンジンのシリンダーブロックはホームセンターで購入した大型の物を利用しました。
熱いお湯にサンエスを目分量入れて、パーツを漬け込みます。
ヘッド一式は分解すると位置などが分からなくなると感じたので、組付いた状態で漬けました。
こびり付いたオイルが焼き付いている部分が少し取れれば良いかな程度に思っていたのですが、とても綺麗になったので驚いています。
エンジン組上げ
エンジン組上げ前の準備
洗浄して表面化した色が剥げたり錆色になった部分を塗装で綺麗にします。
エンジンのシリンダーブロックはジンクスプレー(亜鉛耐熱塗装)で一通り色を塗ります。ノックスドールの防錆亜鉛塗料を見ていると、モノタロウブランドで同等品が有ったので使いました。
ヘッドカバーは赤帽仕様だと赤色結晶塗装なので、同様にします。
「VHT リンクル(結晶タイプ)スプレー」という物を利用しました。
焼き付けによる通常通りの結晶塗装も考慮したのですが、焼き付けだと利用していると剥がれてしまう(純正でも劣化した物は剥がれている)のが微妙だったので、今回は焼き付けを行わずに結晶塗装が出来ると言う塗料を買ってみたのでこちらで対応しました。
と言いつつも乾かすためにヒートガンで実質焼きましたけど・・・。
ちょっと塗り過ぎで垂れた部分と触った部分が失敗しましたが、ぱっと見は変に感じないので大丈夫でしょう。
良い感じに塗れている部分は結晶塗装になりました。焼いていないのに凄いですね。
乾いた後は表面が見えている部分のみ削って完成です。
シリンダーヘッドのメンテナンス
組み付いたままシリンダーヘッドを洗浄しましたが、とても綺麗になりました。
ここからバルブのステムシールをすべて交換、またバルブの擦り合わせを行います。
バルブロッカー一式は一応位置関係などを同じように組付けられるように掃除をした後置いておき、次にコッタピンを取り外してバルブスプリングなどを取り外していきます。
バルブスプリングコンプレッサーなんてものは所有していないので、ステー等を駆使しててこの原理でコッタピンを外しました。
本来はノギスでスプリングの長さを図るのですが、8万キロ走行でそこまでの過走行では無い事もあり、特に気にせず作業を進めていました。次開ける時に交換したいですね。
スプリングやバルブなどを一通り外したら、バルブのすり合わせを行います。元々利用されていた物なので、カーボンなどが付着していたり、汚れが固まっていて漏れていなかった物が洗浄で一部欠けたりすると排気漏れを起こしてしまうようです。
既に漬け置き洗浄をしているので、やらないのは微妙と言ったところでしょうか。この擦り合わせ作業でバルブが閉まった時の排気漏れを防ぎ、パワーダウンを抑えるとの事ですね。(良く解ってない)
ポート研磨なるものはここら辺のシリンダーヘッドの吸気排気の通り道を研磨して、排気抵抗を無くしてパワーアップを図るようですね。なるほどなあ。
バルブすり合わせの基本は、タコ棒を使ってバルブとヘッドの当たり面部分にコンパウンドを塗り、バルブを軽く打ち付けながらくるくる回して綺麗に当たりを付けていくそうです。
サンバーはSOHCだからバルブが8本しかないですが、DOHCだと16本有ると言う事ですよね・・・。ちょっと厳しいですね。
バルブすりあわせ
私はそんな途方もない事はやっていられないので、バルブのステムをドリルに固定して回しまくりました(笑)念のため面に当てたり離したりはしましたが。
一通りやるとバルブとヘッドの当たり面が良い感じに綺麗になるので、完成です。
次にステムシールを交換します。ここはゴム部品なので定期交換はしたほうが良いですね。
シール類 (純正品 / 互換品) | |
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シール,インテーク バルブx8 (13207KA020) | SUN VO801 |
一通り終わったらオイルストーンでシリンダーヘッドとブロックが面する部分を研磨します。ここも定規等で歪みを見るように指示が有りましたが、軽く見た感じ大丈夫だったので汚れなどを落とす程度にしています。
次に取り外した時と同じようにスプリングとコッタピンを取り付けて行きます。コッタピンを無くし易いので気を付けて下さいね。
バルブロッカー等組付け、バルブクリアランスを確認すればシリンダーヘッドの完成です。
整備書などを確認しながら仕組みなどを確認したうえで、シリンダーヘッドを触っていた時に、送迎の為にサンバーを利用したところ不動となりました。ここからは少し焦っていたのを覚えています(^^;)
ピストン入れ替え
次に、元々装着されているEN07Yのピストンを赤帽専用エンジンのEN07Yピストンに入れ替えます。
EN07Yピストン(旧:右 / 新:左) | |
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ピストン STDグレード1 (12006KB330) | ピストン STDグレード1 (12006KB370) |
ピストンリング(12033KA820) | ピストンリング(12033KA820) |
EN07Yのピストンリングは赤帽専用EN07Yエンジンと同等の為、使いまわしを行っても良かったのですが、気分的に微妙なので新品を購入しました。ピストンはそれぞれ通常グレードが2種類、若干サイズアップするものが2種類存在しますが、今回は通常グレードの1番目を選択しています。
ピストンリングについての解説はこちらが解りやすかったです。
ピストンリングの機能 | リケン
通常EN07Yのピストンと赤帽専用EN07Yのピストンにぱっと見違いが無いように見えますが、トップリングが入る上下にコーティングが施されているのが解ります。これで耐久性が上がると言う判断がされているのでしょうね。どれがどう言う風に作用をして耐久性が上がるのかは分かりませんが。
ピストン上部に刻印されている3文字は同型番でも異なっているものが有りました。ロットの判別符号ですかね。
また、人生初のピストンリングの組付けですが、事前に予習をしていたので難なく組付けられました。
シリンダーブロックのメンテナンス、組付け
シリンダーブロックとシリンダーヘッドの面する部分をオイルストーンで研磨します。こちらも一応歪みかないかを確認して汚れを落とす程度に綺麗にします。
次にピストンを差し込みます。ピストンリングコンプレッサーを使わないで入れるのも良かったのですが、モノタロウで安かったので一緒に買いました。
とても簡単にピストンをシリンダーブロックに押し込める事が出来て良かったですね。
パーツ | |
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ベアリングセット,メーン STD | 12211KA190 |
次にクランクシャフトベアリング(メタル)を装着します。古いほうも其処まで悪くなってませんでした。コンロッドの方のメタルはそのまま利用しました。
ここで組付けます。ここで私が失敗したことと言えば、ここでメタルに潤滑目的でオイルを塗らなかった事ですね。(原因は別ではありますが、クランキング不良にて再度開けオイルを塗り直すことになります。
次にオイルシールを取り付けていきます。
シール類 (純正品 / 互換品) | |
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カムシャフトオイルシール (806738200) | Koyo FU6524 |
リアクランクシャフトオイルシール(806768060) | 武蔵オイルシール S6527 |
フロントクランクシャフトオイルシール (806731070) | Koyo FU6525 |
隙間を埋めるシール類 (純正品) | |
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シーリング,ベアリング,キャップ | 311282100 x2 |
シーリング,ベルト カバー NO.5 | 13547KA001 |
シーリング,ベルト カバー NO.7 | 13541KA001 |
シーリング,ベルト カバー NO.3 | 13552KA032 |
シーリング,ベルト カバー NO.2 | 13587KA053 |
上記にミラーなどの赤帽仕様と同等のアクセサリーを装着します
まずシリンダーヘッドのカムシャフトの部分のオイルシールを交換し、次に前述したミッション側のオイルシールとクランクシャフトを抑える為の部品に付いているゴム部品をまず交換します。カチカチになっている液体ガスケットとゴム部品を外し、掃除します。その後液体ガスケットを塗り、隙間に新しいゴム部品を入れ、差し込みます。
次に逆側のクランクシャフトの根元に付いているオイルポンプのシールも交換します。一緒にオイルポンプも取り付けました。
(オイルポンプはセンサー部品が付いていた為サンエス付けはしませんでした・・・。後ほどセンサー単体で取り外しが出来たのですればよかったですが。)
液体ガスケット自体は直ぐには乾かないので、位置決めをしっかりしたいですね。
次にクランクシャフトのガード(パーツリストでの名称ではエンジンの補強パーツ(スティフナー)らしいです。)を取り付けます。
エンジンスタンドを利用していない場合オイルパンを装着すると安定しないのでこのままシリンダーヘッド等を組付けていきます。
シリンダーヘッドと合体、ヘッドカバー取り付け
割と重労働だった為写真が少ないですが、シリンダーヘッドとシリンダーブロックを接続します。
パーツ | |
---|---|
ガスケツト,シリンダ ヘツド | 11044KA371 |
ここにガスケットが必要です。社外品だと紙に近い物だったりするようですが、純正品はメタルガスケットですので、出来れば純正品を使ったほうが良いでしょう。私はヤフオクで貯蔵品が出品されていたのでタイミングが良く、安価に買えてよかったです。
滑らないように薄く全体的に液体ガスケットを塗り、組付けていきます。整備書を見るとここのトルクが思っていたより強く、更に90度締め付けろと記載があった為、指示に従いましたがこのキツさでオイルが漏れるってどういう事なんだろうなと感じた次第ではあります。
(本来は塗布する必要はありませんが、作業環境上滑り防止目的で塗布しています。)
タイミングベルト取り付け
サンバー自体タイミングベルト交換は車載上でもあまり難しくは有りません。ただ、外れている状態の方が更に簡単なのでタイミングベルトを取り付けていきます。ですが、まず取り付ける前に新しいウォーターポンプを装着します。
タイミングベルト周辺 (純正品 / 互換品) | |
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タイミング ベルト アンド ラベル セツト (13160KA140) | 三ツ星ベルト FJ2001 |
ウオータ ポンプ コンプリート(21111KA293) | GMB GWSU-17A |
ガスケツト,ウオータ ポンプ(21114KA040) | GMB GWSU-17A同梱 |
テンシヨナ コンプリート(13070KA120) | GMB T706 or GT90290 |
元々装着されていたのは純正品のアイシン精機のモノでしたが、私が購入したのは社外品のGMBと言うメーカーでした。比べた感じ確かに安くなるよなと感じたので、余計な事を考えたくないのであればアイシン精機の社外品か純正を買いましょう。
また、ウォーターポンプの取り付けシールには液体ガスケットなどは塗らないように気を付けて下さい。
次に、分解する際に分かるかとは思いますが、ウォーターポンプとエンジンブロック、オイルポンプに隙間が出来るのでここにゴム部品を忘れずに差し込みましょう。私は新品を買いました。
一通り差し込んだ後、テンショナーなどを取り付け、クランクシャフトプーリーとカムスプロケットのマークを合わせたうえでタイミングベルトを取り付けます。
マークを確認すれば間違いはないのですが、ここでズレが有るとピストンとバルブが衝突し、バルブ破損でエンジンブローを引き起こします。
これでタイミングベルトカバーを装着すると、エンジンは一通り完成となります。
次回はエンジン換装、始動までを記載します。
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