マツダ ロードスターRF (NDERC) のアズビルト値を変更し、外気温警告灯を有効にした上でアイドリングストップ(i-stop)を無効にした
こんにちは。先日マツダ車で変更が可能な設定値であるアズビルトについて紹介しましたが、既に判明している軽い内容として「外気温警告灯」を有効にし、「アイドリングストップ(i-stop)」の機能を無効にする事を行ってみました。
此方の内容は、Mazda 3(アクセラ)の海外フォーラムである”Mazda 3 Revolution”のこのトピックより確認と引用を行った内容です。
外気温警告灯を有効にする
外気温警告灯とは、輸入車によく付いているらしい機能で、路面凍結に注意して欲しい旨を警告してくれる内容のようです。反応する気温はメーカーによってまちまちですが、マツダはこの機能が有効化されている仕様地の場合、4℃(39℉)以下になると表示されるようです。
Mazda MX-5 Web Owner’s Manual | Mazda
https://owners-manual.mazda.com/gen/en/mx-5/mx-5_8gu7ee18e/contents/05020311.html
外気温警告灯のアズビルト値の項目はIC(メーター)の「720-01-01」の変更にて対応が可能です。当方の車両の純正状態のアズビルト値は以下の通り。
- 720-01-01 | 6001 72E6 8062
後半の3ブロックが設定値になります。末尾1バイトはチェックサムです。この内容を、以下のAs-Built Exprolerで確認すると簡単です。
AsBuiltData解析ツール(As-Built Explorer) | みんカラ
外気温警告灯の項目は、Data 2に入力される”72E6″の中の1つ目の2進数ブロックの最末尾(bit 0)に該当します。
ここのビットを上げたいので、下のBinの項目に”01110011″と入力し「Bin to Hex」を実行すると”73″と表示され、Data 2を”73E6”と書き換えたうえで「Re-Clac Checksum(last byte)」を実行すると”63″と出力されるので、末尾1バイトを”63″に変更します。
すると”6001 73E6 8063”となり、これで書き込む事が出来るアズビルト値が完成します。
この値を車両に書き込むのですが、IDSでも出来るもののFORScanだと簡単に思いますので、FORScanで行った図を紹介します。
FORScanのインストール方法やセットアップ方法はこちらが参考になります。
FORScanでのコーディング ~導入編・使い方~ | みんカラ
車とJ2534互換インターフェースとPCを接続した環境にし、車両のイグニッションをONにした状態でFORScanと接続します。車両情報を読み込んだ後、左側のメモリマーク?を押すと一覧が出ているように思います。今回はICのアズビルトを変更しますので、「IC Module configuration (AS BUILT format)」を選択し、下の再生マークを押すと各項目のアズビルト値が読み込まれます。
読み込まれた後、バックアップを取っていない場合は下の「Save All」にて念のためバックアップを行ってください。
それから先ほど作成した720-01-01の値をそれぞれ入力し、「Write」をクリックすると完了です。
書き終わると私の環境ではイグニッションONのままメーターが再起動し、外気温警告灯が有効になりました。
大した機能ではないし、マツコネで有効無効を選べれば良いんですけどね。北海道で過ごしていると欧州と同じで気温が低めなことが多いと思うので、ちょっと嬉しい機能だと思います。
アイドリングストップ(i-stop)を無効にする
次はアイドリングストップ(i-stop)を無効にしてみます。
個人的にはアイドリングストップが有ろうが無かろうが特にどちらでも良い気分ではあるのですが、色々と話を聞いていると、ハイブリッドでノーセルの車ならいざ知らず、ロードスターのようなセルでエンジンを始動するような車だと車両の各パーツの耐久性的にはアイドリングストップ機能はあまり宜しく無いようで、さらにそんなに燃費向上する訳でもないらしく、お気持ちエコ機能と言う面が強いんだなあと思った感じでした。
ロードスターRF(NDERC)はDC-DCコンバーターとキャパシタを搭載・利用する”i-ELOOP”と合わせて”i-stop”は強制標準装備のようですが、ロードスターの幌(ND5RC)の方はオプション選択みたいですね。こちらの装備が付いていると20kgほど重量増のようですが、この機能に併せてセルやオルタネータなどが強化される気がするので、いまの状態でi-stopが無効になると耐久性も上がりそうな予感はしますね。(適当)
かと言って変な社外ハードウェアを嚙ませたり、エンジンONにする度に一々ボタンで切ったりするような事をする程アイドリングストップは嫌いではないので、楽で安全でスマートに出来る手段がないのであれば特に切ろうとは思いませんでした。森の中でアイドリングストップした時の静寂感は好きですしね(笑)
そのうえで今回、アズビルト値の内容を見ているとそもそもの機能を純正で潰す事が出来るみたいでした。それならやっても良いかなと思った次第です。
アイドリングストップのアズビルト値の項目は次の通り。
メーター上のランプの機能
ICコンピューター 720-01-01 の Data 2に入力される項目の中の1つ目の2進数ブロックの右から5番目(bit 4)
- 6001 73E6 8063 → 6001 63E6 8053
先ほどの外気温警告灯を有効にした状態から内容を作成しています。今回は無効にするので該当項目に0を入力しています。
アイドリングストップの実行機能
SSUコンピューター 731-01-01 の Data 1に入力される項目の中の2つ目の2進数ブロックの右から5番目(bit 4)
- 5830 C004 A127 → 5820 C004 A117
こちらは機能そのもの内容となります。メーター(IC)の内容のみ変更を行っても表示が無くなるだけで機能自体は無効になりません。
この2つを書き込むと、メーター表示も含めてアイドリングストップが完全に無効になり、i-stopボタンを押しても無反応になります。
おわりに
一応どのような変更を行っているか実感するために、上記の例では”As-Built Exproler”で紹介しました。
Mazda 3 Revolutionの該当トピックではこのような項目を計算してくれる便利なxlsxファイルが配布されており、こちらを利用するとチェックサムなどあまり意識せず有効無効を操作できるように思います。
フォードのアズビルト値は結構解析されているのですが、マツダはアズビルトの内容が始まってから結構経っているのにまだまだ未解析な部分が多いように思いますので、もう少し判明してほしいですね。
Comments