セルラーライン Interphone Tour を今シーズン使ってみてのお話 | アーカイブ
※当記事は過去ブログのアーカイブとなります。
セルラーラインから販売されているインターフォンシリーズの2017年現在では現行版であり、最上位である「Interphone Tour 」をR6が納車されてからすぐ手元に来ているので使っています。
検索しても日本どころか海外でもインプレが少なすぎるので、情報として書いといても良いのかなと思い立ったので書いておきます。
セルラーライン インターフォンシリーズについては此方を見てもらえると嬉しいです。
【バイク用インカム】セルラーライン インターフォンシリーズ について
購入まで
インターフォンシリーズは前述の通り、「F4」「F5MC」「OFFROAD」と使って来てるのですが、「F5MC」と「OFFROAD」は水没による破損でご臨終しています。
双方並行輸入品だったのと、そもそも保証切れと言うところもあってそのまま手元にあります。
「防水謳ってるくせに!二度と購入しないよ!」と思っていたところではありますが、同じようにSENA製品やサインハウス製品(B-COM)を取り扱っていても水没で軽々ご臨終するみたいなので、他社製品でもどちらにしろダメだったのではないかと感じているところではあります。
そんな中SENAの新シリーズ「SENA 30K」の登場を待っていたのですが、Bluetooth 5.0を搭載しているのかと思いきやそうでは無かったり、旧モデルの20Sより若干スペックが下がった・・?と感じる面もあるのに加え、ちょうど良く価格も手ごろになっていた為に、結局インターフォンシリーズの「Interphone Tour」を購入しました。
手元に来てから・外観など
F5シリーズとは変わって形状などが一新しているので、ヘルメットに装着していたケーブル類や土台は全て交換となります。
自社専用形状であったコネクタ類は全てUSBとなり、充電用と音声等入出力の2つ搭載されてます。
ボタン類も触って場所がわかるような配置となっているらしいですが、そんなに良いと感じた事は在りません。
使ってみて良いと思った点
利用してから音声等が最低スペックのOFFROADから変えたからと言う事もあるのですが、F5MC比でもだいぶ動作や音声、ハードウェアを含くめて色々な点が良くなっていると感じました。
1、ブルートゥース接続が速い
ブルートゥース接続が比べ物にならないほど速いです。携帯電話と接続する際、電源を入れてアナウンスが1秒ほど流れた後即繋がります。
インカムの機器どうしの通話の場合でも、双方がペアリング済みであれば電源を入れてすぐ繋がる点も驚きました。
2、電池持ちが長く、充電時間も短い
電池持ちを細かく計測はしていないのですが、公称スペックは20時間利用できるとの事で、確実に1日の往復300kmツーリング(およそ10時間ほど?)では確実に持ちます。
OFFROADやF5MCでは、1日ツーリングでも後半になると新品でも電池が切れてしまう事が多かったので、充電ケーブルとモバイルバッテリーが有れば利用しながらの充電で安心ではありましたが、そういった必要もないのはとても嬉しいですね。
そもそもそのツーリングの後充電を忘れて次の日の利用に持ち越してもある程度使える状況と言う点でも出荷状態時点での電池持ちはとても良いと感じます。
また、急速充電に対応しているとの事もあり、充電がとてもスピーディです。充電を忘れていて、取り合えず出るまでで充電をしておこうと言った状況でもある程度電池が持つほどは充電をしてくれます。
3、防水性
F5シリーズでも他社製品と比較して防水性は良い方だったようなのですが、F5シリーズの場合いくらコネクタをしっかり接続していたとしても隙間から水が入り、内部に湿気が侵入したうえでケース内で結露が出来てしまい、メインボードに水が掛かってしまいます。そうなってしまうと分解も出来ないので乾かすのも一苦労だし、一番の対策は水に濡らさないのが一番だなあなんて思ってました。
Tourなどの新シリーズ(F6)はF5シリーズと比較して、防水性は比べ物にならないほど向上していると感じます。コネクタ部分をしっかり接続していれば、幾ら土砂降りでも水の事は全く気にせず利用する事が出来るようになりました。(寧ろバイクの方が気になる)
充電ポートと音声入出力が別になった事により、充電コネクタのキャップ部分は充電時以外で触る事は無くなりましたし、音声ポートも下部から出るようになった事で水の侵入も少なくなったと感じます。
前モデル同様操作ボタンは全てゴム質で有り、操作ダイヤルなどは搭載していないので水の侵入については完璧に近いのではないでしょうか。
4、音質
OFFROADから新シリーズに変えてから、双方でインターフォン通話を行ってツーリングに行く友人から風切り音の除去性能と音質が格段に向上したとの声が有りました。
また、そもそもインターフォンシリーズ自体が音質を売りにしていることも有り、スピーカーが比較的大きいものとなっています。その影響で音質が良いようです。
私はヘルメットを変えたのと同時にメーカーのオプションで販売されている「SHOEI Pro Sound Kit」を装着していますので、SHOEIヘルメットの専用品であるために装着にズレが起こる事はなく、純正より更に分厚いスピーカー(耳を圧迫しない程度)で更に音質の向上が図れている所も良いポイントですね。
風の侵入が少ないヘルメットも同時に買った影響か、高速道路で追い越しを掛けても音声がクリアに聞こえてとても驚きましたね。
5、音声操作・走行中の音声通話
F5シリーズでは今まで音声操作や走行中の音声通話機能は無いものと思っていたほど非常に微妙な感じでした。
スマートフォンのGoogleアシスタントやSiriなどの音声操作が出来れば、車とは違って大助かりのオートバイなのですが、停車時でも認識率的にとてもとても実用できるものではなく、また通話時も通話相手から何度も聞き返される程雑音が多いようです。
新シリーズでは音声操作を呼び出すためのボタンを押すと、Androidスマホ上ではGoogleアシスタントが起動するような形なのですが、50~70km/hほど出していても音声認識をしてくれます。
Googleアシスタントがもうちょっと頭良く処理してくれればいいのですが、上手く行くと以下のような流れをスマホの直接操作なしで行う事が出来ます。
走行中の行先操作
インカム:(音声操作ボタンをクリック)
Googleマップ運転モード中のスマホ:「ピコンッ!(Googleアシスタントが反応)」
オタク:「〇〇まで車でナビ」
スマホ:「〇〇までの所要時間は〇〇時間です。云々~~」
無操作で放置
スマホ:「案内を開始します。」
車で有ればさっと操作が出来るところではありますが、オートバイではそもそもグローブをしていますし、反応がしにくいのもイライラポイントです。
これが出来るのに感動を覚えるほど音声操作が出来るのと出来ないのとでは大きく違いが有りますね。
6、操作性・接続性
操作性に関しても、F5シリーズはモード選択から入らないといけなかったので上下左右ボタンを何度も押す形でしたが、新シリーズからはそのモードに直接アクセスするような専用ボタンが多く配置されていますので、覚えやすいんじゃないかなと思ってるところではあります。
また、スマートフォンのアプリ操作も出来るようになったので、モードや各種設定は全てスマホで行えば速いですね。
接続に関してもスマホから行えるのに加え、新シリーズ同士で有れば、ペアリングモードで放置しておくと自動的に接続してくれる「インテリジェントペアリング」に対応してくれていることも有り、とてもやりやすいのではないかなと思っています。
使ってて悪いと思った点
使ってて悪いと思った点も多々あります。
1、他社接続モードが劣化している
第一番に書くほど頭に来ている事なのですが、F5シリーズで接続できていたSENAなどの他社インカムに新シリーズは現状接続できません。正確には接続は出来てはいるのですが、音声が乗らない状況です。
インターフォンシリーズはF5シリーズ以降「AnyCom」と言う他社インカムペアリングモードが搭載されています。このモードで接続を行ったうえで、音声が乗らない(送受信できない)状況です。
私ではサインハウス製のB-COM(恐らく5X)とSENA製のSENA 20Sで同じことが起こる事を確認しています。
こちらのブログさんに書いていることと大よそは同じなのですが、日本の代理店である「トーヨー産業」からの回答ではSENAとの接続は出来ているのとの回答のようですが、恐らく私の想像では接続まで試したうえで音声の送受信までの検査は行っていないんじゃないかなと感じています。
(と言うか出来ているなら詳細に書いてほしい)
海外での内容を検索しても解決している内容は出てこないし、本体バージョンは最新だし、どうにもならない状況なので、以前のモデルは出来ていた事を考えても悲しい気持ちです。
2、QAなどの解決やレビューが少なすぎる
1番から続くことでは有るのですが、新シリーズユーザーが本当に少ないのか、日本だけではなく英語圏で検索を掛けてもほとんどユーザーインプレが出ません。日本で絞るとほぼ皆無です。
また、国内で売っているのにも関わらずメーカーページ(代理店)が未更新であったり、製品故障の窓口以外では全く機能していないんじゃないかなと思わせる国内展開の状況で、こんな状況ではそもそも売れないだろうと言った気持ちでもあります。
販売店を見ると、ポップやパンフは配置されていて、各種雑誌に提供等を行っているので、トーヨー産業自体がインターネットでの販路を眼中に入れていないんでしょうね。
まとめ
まあ、買っている理由が、良くわからんメーカーではないけど「安い割に性能がとても良い!」と言うところなので、4万越えからの同じぐらいの金額を出すなら明らかにSENAやB-COMでしょうね。
防水性や音質、その他操作性など上記の良い点はそれに付随してくるものです。
最高峰のモデルは定価4万越えで売っているのですから、日本の代理店ももう少し色々な点で尽力してほしいです。
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