スバル製サンバーを購入しました:④ エンジン換装、始動まで | アーカイブ
※当記事は過去ブログのアーカイブとなります。
前回の内容の続きとなります。今回はエンジンの載せ替え作業から、始動までの内容です。
こちらも交換前のパーツ番号、利用したもののパーツ番号を記載しておきますのでご活用ください。
エンジン取り外し、載せ替え
みんカラやその他Webサイト上である程度は予習していたのですが、サンバーはエンジンがRR配置である事によりとても容易にエンジンの取り外しが出来るようです。
ただ、一人で実施するより人数が居た方が危険性も減りますし、安心できますので友人にお手伝いをしてもらいました。1人は栃木から旅行観光がてらに来てくれました。(圧倒的感謝(;;)有難う御座いました(;;))
補機類の取り外し、1日目
EN07Fエンジンを上から見るとこのような感じです。
エアクリーナーが配置されている側がミッション、タコ足の様なインマニが有るほうがエンジンです。
ワイヤーや燃料ホース、エンジンハーネス、オルタネーターやエアコンコンプレッサー、マフラー一式を外し、一通り外し終わったらエンジンの右側に有るウォーターポンプの部分の冷却水ドレンボルトから冷却水を抜きます。
サンバーは運転席下部にラジエターが有るため、ドレンボルトから抜いた場合でも全て抜けきりません。その為、冷却水を送るパイプ類をエンジンから取り外した際に多く冷却水が出てきますので注意してください。
次にドライブシャフトを外します。整備書を参考にすると本来片方の取り外しにSSTが必要で、ネットでのレポートを見ると基本的にSSTや自作SSTを使っている人が多かったのですが長いバールで双方いい感じにこじっていたら取れました。ただ、シャフトの上と下で同じように力を掛けてシャフトを抜ける方向に引き抜くような力が掛からないと中々抜けないかもですね。
ここで力尽きて1日目が終わります。
エンジン取り外し、2日目
一通りエンジンマウント以外繋がっている部分が無くなったので、エンジンを降ろしてきます。
エンジンを降ろす際に必要なのが、本来はエンジンクレーンやチェーンなのですが、そんなものは無いので家庭にあるもので揃えると台車とジャッキと脚立とタイダウンベルトですね。
まず脚立を車内に立て、タイダウンベルトでエンジンを軽く吊り下げるような形にします。
次に前方エンジンマウント部分にジャッキを入れ、マウントのボルトを抜きます。
ボルトを抜いたらタイダウンベルトをキツく締め、前方エンジンマウントのジャッキを降ろします。
すると前側のみ釣り下がった状態となるので、後方のメンバー兼エンジンマウントにジャッキを掛け、左右のボルトを全て抜きます。
ジャッキを降ろすとエンジンが完全に釣り下がるので、ここで台車を車体下に差し込みます。
台車を若干エンジンが持ち上がる方向に力を入れ、タイダウンを全て緩めるとエンジンが完全に台車に乗るので、引き出せばエンジンが降ります。
人手が必要とは言え、エンジンハンガーなどは必要なく、簡単な用具さえあればエンジンが降りるのは感動ですね。
冷却回りの取り回し変更、搭載エンジンの組み上げ
外付けオイルクーラーに接続される部分の取り回し増設で一部パイプ交換が必要だったので、交換しています。
パーツ (旧 / 新) | |
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パイプ,エンジン / ラジエータ (45174TC440) | パイプ,エンジン / ラジエータ (45174TC381) |
ホース,エンジン オイル クーラ (45161TC400) | |
クランプ G (45126TC180) |
これを行うことによって外付けオイルクーラーに冷却水が通るラインを車体側から延ばせます。
私の場合はエンジン側に外付けオイルクーラーとパイプラインも装着されていたのでこのパーツのみの交換・増設で完了しています。
次に組み上げたエンジンにトルクコンバータを取り付ける確認をし、オイルパンなどを取り付けていきます。ここの時点で本来はトルクコンバータを回してクランキングをする事が出来る筈なのですが、硬すぎて回せない事に気が付きます。クランクを押さえつけている部品(コンロッド部分も外していればここで解決していましたね。)を外して確認等をしたのですが、それでも回らないため、「まあ手では回らないんでしょう」との事でその場は気にせず組み上げてしまいます。
トルクコンバータにATFをある程度入れ、ミッションと接合していきます。ただ、トルクコンバータを横にするとATFがダダ漏れしてしまうので、即座にミッションと接合する必要がありました。
本来の順序では、ATFをトルクコンバータに入れた後、ミッションに差し込んだ上でエンジンと接合し、ボルトで固定すると言う順序を取るようですが、エンジンがクランキングしないためそのような順序を取ることが出来ず、まずエンジンに固定した後即座にミッションと接合した事を覚えています。重いし3人がかりでも厳しかったので、一番難度が高かったかもしれません。(そのせいで写真がない)
無事接合が完了すると、あとは補機類やハーネスなどを取り付けていく作業を行います。整備書も余り参考にならなかったので、ハーネスの取り回しなどは分解時に撮っていた写真頼りになりました。その日は疲れていた事もあり「本当に動くのかコレ」と思っていましたね。
失敗すると良くないのでその日はそこで終了し、2日お出かけ休憩を取りました。
エンジン組み上げ、搭載、3日目
2日リーフを借りておでかけ休憩、友人1人とお別れし、エンジン補機類の装着の続きをします。
難なくある程度組みあがり、オルタネータ・エアコン・クランクシャフトの1本とスーパーチャージャー・クランクシャフトの1本のVベルトを2本装着します。こちらも同等品の新品を取り付けました。
また、念のためサーモスタットも交換しています。
Vベルト周辺 (純正品 / 互換品) | |
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ベルト (809214510) / オルタ+エアコン側 | 三ツ星ベルト 4PK917 |
ベルト (809214600) / MSC側 | 三ツ星ベルト 4PK740 |
一通りハーネスや配管の取り回しや、補機類の装着に問題がない事を確認したら、エンジンを乗せていきます。
エンジンを取り外す時よりは要領が解っているので、乗せることは楽でした。取り外しと逆の手順で乗せていき、その日は力尽きました。
エンジン搭載、4日目
各種エンジンハーネスのカプラーや冷却関係の配管、燃料ホースなど全て取り回しと配置の確認を行っていきます。
微妙にわからなかった部分は取り外したエンジンを見て確認しました。
エアコンコンプレッサーに装着される配管もEN07FとEN07Yは取り回しが違う事により異なっています。(私はエンジンの元オーナーの方にお願いして一緒に貰いました。)
取り回しや形がそもそも異なっていますのでEN07F向けの物の流用は出来ない事をご注意願います。
エアコンパイプ (旧 / 新) | |
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ホース アセンブリ,プレツシヤ デイスチヤージ (73424TC092) | ホース アセンブリ,プレツシヤ デイスチヤージ(73424TC103) |
ホース アセンブリ,プレツシヤ サクシヨン (73425TC091) | ホース アセンブリ,プレツシヤ サクシヨン (73425TC101) |
ちなみに、EN07FとEN07Yはオルタネーター本体の型番も違いますのでご注意ください。(私は付属していましたのでそのまま使っています。)
燃料ホースの配管はEN07Yだと鉄パイプ部分が増設されており、車体から出ているホースが長かったため、若干カットをして調整しました。
マフラーを装着し、プラグを取り付けます。プラグは赤帽専用車に全車利用されているNGKのイリジウムプラグ、”BKR6ETP”を利用します。
プラグを差し込んだらまずプラグコードを取り付けず、クランキングをするか確認をします。
オイルは、取り合えず洗浄も兼ねてすぐ取り出す筈なので、ドンキで安かった「カストロールGTX 10W-30」を利用しました。4リッター缶が1078円でした。
それでバッテリーを接続し、セルを回したのですが一切クランキングせず・・・。セルモーターが回ろうとしている音はするのですが、セルモーターの力が負けている形ですね。そこで前述のクランキングがしない件を思い出します。
その日は原因が解らなかったので悩みながら1日を終えます。
エンジン始動、5日目
色々調べていると本来はクランクシャフト部分を回すとスピンナーハンドルなどで回せる事に気が付きます。(今考えると当たり前だろう)
その為、スピンナーハンドルにて回そうとしたのですが一切回らず、これはいよいよクランクシャフト周辺がおかしいと気が付きました。
そこでオイルパンを一旦外し、クランクシャフトを下から確認する事を考えます。その日は雨も降っていたし時間もなかったので、一旦終了しました。
エンジン始動、6日目
オイルパンを外し、下からクランクシャフトを確認します。前回降りている状態で外したクランクシャフトの固定パーツを全て再度取り外ししたのですが同じように回らず、次にコンロッドとクランクの接合部分を左から一本ずつ外してきました。
すると、左から3本目を取り外したところで軽く回り始めましたが、また同じように再度規定トルクで締め付けると回らなくなるため、コンロッドとクランクシャフト押さえ付けているパーツを違う個所に組み替えて全て規定トルクで締め付けると問題なく回るようになりました。
ただ、特にコンロッドと接合部分のパーツは順序指定などが無いので、ハテナ状態でしたが、何故か左から3番目にコンロッドをクランクシャフトと接続する該当パーツを組付けるとコンロッドが回らなくなる現象が発生しており、中古品によることが原因なのかなと思っている次第です。(同じパーツとの事もあり元の順序で組付けはしていなかったはずなので。)
そのうえで全て再度組みなおし、オイルパンの液体ガスケット掃除と再度塗りなおし、装着をしました。
原因も特定できた所で、再度オイルを入れなおし、スピンナーハンドルで少しクランキングを確認した後、その日は終了しました。
エンジン始動、7日目
ECU (旧 / 新) | |
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ユニツト アセンブリ,AT アンド E.G.I. コントロール (22644KA770) | ユニツト アセンブリ,AT アンド E.G.I. コントロール (22644KA760)※ |
※アプライドモデルに準拠すると私のサンバーはK年改のAT+NAからAT+SCにする場合”22644KA760″が一番適したECUですが、定価入手以外で当方が入手できたものがJ年改の”22644KA660″だった為、こちらを装着しています。K年改とJ年改の差分は大きくない為、特に不具合等は起こっていませんが、アプライドモデルが一致したものの装着をお勧めします。
バッテリーを接続し、再度クランキングを確認した後、プラグコードを装着します。また、スーパーチャージャーモデルに搭載されているECUを装着し、念のためエアフィルターも装着しました。
冷却水もエア抜き不足の状態で満タンに入れた後、その状態でセルを回しましたが問題なく始動し、安心しました。
ただ、(私の横着が原因で)ガスケット不良により水漏れが一部していたので、即部品販売に赴きそこのガスケットを購入して交換、ちゃんと刺さっていたと思っていたドライブシャフトが片方抜けて空回りしていたなどのトラブルは当日有りましたが、双方即解決出来たので良かったです。
実走行、冷却水のエア抜き、8日目
実走行テストを兼ねて、恐らくエア抜きが出来ていないであろう状態にてそのまま近くのホームセンターに行き、冷却水を購入して冷却水を投入しました。
実はサンバーの冷却水のエア抜きは若干面倒です。ラジエターが前に有ることにより、3か所キャップが有るので各所を確認しながら、整備書または車体側に貼り付けてあるエア抜き方法を踏み、冷却水を投入します。
前後空のペットボトル、前はキャップを外した後はホースが有ると冷却水が漏れてもあたふたしないでエア抜きがし易かったですね。
最後にVのベルト鳴きが激しかったので調節し、無事完成!!
いやあ、長かったですね・・・。自分が悪く失敗した部分も多いですが、初めて触れたので許してほしいです・・・(;;)
現状一通り完成させてから4000キロほど走行していますが特に異常は無いように見受けられますし、オイル漏れが解消しているのも感動しています。
これで不動状態からの復帰は完了しました。その他のオイル交換などの整備記録や、内装装着品等は後日上げようかとは思っています。
質問失礼致します。サンバーディアス最終型のNA→SCエンジンへの交換費用を教えてください。