ヤマハ (プレスト) YZF-R6 2017 BN6にコミュニケーションコントロールユニット(CCU)装着、その他についてなど | アーカイブ
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ヤマハ発動機より生産され、プレストより逆輸入が行われているYZF-R6 2017 BN6が私のもとに納車されておおよそ2ヵ月目となりました。
行ったところと言えば、仙台市民ではいつもの女川・牡鹿半島や、磐梯山(大雨)、山形県尾花沢周辺、また鳥海山経由で秋田の男鹿半島(大雨)ぐらいでしょうか。
現状ODOメーターは2800kmほどです。天候は残念ながら雨ばかりですが、正直自分自身の慣らしも兼ねて出かけてるので、雨を走る意味はあるとは思ってるものの、あまり気持ちよくは走れませんね・・・。
今回はCCUユニットの取り付けを行ったので、そちらの紹介を行います。
CCUユニットの取り付けについて
YZF-R6 2017年モデルでの機能上の変更点と言えば、クイックシフターやメーター、走行モード切替ですが、もう一つあまり紹介はされていないものの1つとして「コミュニケーションコントロールユニット(CCU)」(以下CCU)の対応が有ります。
CCUとは?
2015年以降のYZF-R1や、YZF-R1Mに乗っている方はご存知かとは思いますが、簡単に言うと車体の動作をロギングしてくれるユニットとなります。
CCUユニット自体にメモリーが搭載されており、診断ポートより回転数・ギアポジション・使った燃料・前後の車速・TCS動作・ABS動作・・・などなどの情報に合わせ、CCUユニットに接続したGPSアンテナより、その走行時の車体の位置をログファイルとして残してくれるユニットになります。
YZF-R1・R1Mは、本体の各種モードやセッティングをこのユニットを通して、アクセスポイントになるCCUユニットからWi-Fiを通してスマートフォン上にてモードやサス設定等を操作することが可能です。
CCUは現在の最高峰モデルとなるYZF-R1Mには標準で装備されていますが、通常のR1とR6 2017はオプション扱いにはなるものの別途取り付けにて装着する事が出来ます。
YZF-R6 2017で装着
まず必要性を感じるユーザーがなかなか居ないのか、私が購入した時点ではR6で装着している人がネット上ではおらず、本当に動作するのかよと半信半疑でしたが、パーツが揃っていれば特に難しい事無く装着が可能でした。
私が購入した物ははシートカウルとステー共にR1Mからの取り外し新古品だったので、取り付け部分に於いては若干参考にならない部分が有るかもしれません。
装着の様子を紹介します。
1、取り付けの為にシート周りの分解
取り付ける為、メインシートとタンデムシートを取り外します。
間にあるカバーも取り外した方が良いと思いますね。
2、診断ポートにCCUユニットへと接続するハーネスを差し込む
診断ポートが車体後ろから見て左側、ECUとバッテリーの間のところにキャップされて配置されているので、こちらのポートにハーネスを差し込みます。
差し込んだ後、ECU上部からタンデムシートが装着されている方へ隙間に入れつつ”CCUユニット配置場所”へハーネスを伸ばします。
3、CCUユニット配置場所にCCUステーを装着する
タンデムシート下部にボルトが4本ほど有るので、そちらを取り外し、ステーを装着してから再度ボルトを差し込みます。
ステー装着が完了したら、CCUユニットを配置し、ベルトにて固定します。
4、GPSアンテナとシートカウルを取り付ける
私の場合はR1Mのシートカウルの為、表側にGPSアンテナが見える状況となります。
GPSアンテナから出ているカプラーを先ほどのハーネスに繋ぎ、更に余っているカプラーをCCUユニット本体に差し込みます。
ここまで完了したらユニット自体の取り付けは終えているので、動作確認を行いましょう。
動作確認の方法は、R6のACCをONにして、メーター右上の”QS(クイックシフター)”マークの横に”GPS”と表示されればOKです。
動作確認が無事出来たら、シートカウルを2本のビスで取り付けたら完了です。
今回使用したパーツ&備考
今回の利用パーツ | |||
---|---|---|---|
部品名称(上記図番号) | 部品番号 | 価格(2017/08/20現在) | 利用個数/車番要求有無 |
シートカバーアセンブリ(18) | 2KS-2477A-00 | 105,840 | 1/有 |
バンド(17) | 55K-2811G-00 | 389 | 1/有 |
ブラケット,テールカバー(11) | 2KS-2475U-00 | 1,091 | 1/有 |
ブラケット,テールカバー2(12) | 2KS2475V-00 | 907 | 1/有 |
スクリュ(23) | 94149-06250 | 103 | 2/無 |
ボルト,ヘキサゴンソケットヘッド(15) | 90110-06163 | 103 | 2/無 |
カラー(13) | 90387-06023 | 59 | 2/無 |
グロメット(14) | 90480-12237 | 65 | 2/無 |
コミュニケーションコントロールユニットコンプリート(27) | 2KS-85800-00 | 155,088 | 1/有 |
上記では全てヤマハ/プレスト取り扱い正規店で部品要求をした場合の価格や車番要求について記載していますが、自分の場合は、個人輸入にて入手できたパーツの関係上YZF-R1Mのものをそのまま転用しています。
”バンド(17)”以外の車番要求部品はこれに全てセットで付属していたので、パーツに困る事は在りませんでした。
R1、R1M、R6ともにタンデムシート自体の型番が共通だったことから、R1Mの物の取り付けは問題ないだろうと見切り発車しましたが、ステー類やその他も狂いなく全て共用で利用できたため、結果問題なかったようです。
また、ユニット本体は前述の通り、USヤマハやEUヤマハにてオプションで提供されています。
通常オプションCCU取り付けの場合 | |||
---|---|---|---|
部品名称 | 部品番号 | 価格(2017/08/20現在) | 利用個数 |
GYTR Communication Control Unit for YZF | 2CR-H81G0-V0-00 | $699 | 1 |
R6 Seat Cowl | BN6-F47F0-V0-00 | $199 | 1 |
ヨーロッパヤマハやUSヤマハがR6やR1用に提供しているオプションCCUは、市販されているシートカウルと組み合わせて提供されるようです。
それにより、GPSアンテナはCCUユニットと同様内部に格納され、R1Mや私が取り付けたようにCCUユニット自体が平行に乗る形ではなく、差し込むような形のステーが付属するようですね。
個人的にはCCUを装着していることがわかるR1M式の方が好みではありますが・・・。
アプリでの操作
無事装着が出来ましたので、各種アプリでの操作を行いたいと思います。
このユニットとの通信は主にスマホやタブレットで行い、iOSとAndroidよりアプリが提供されています。
iOSの場合、一部のアプリはiPhoneでも利用可能ですが、Y-TRACなどのログ表示を行うアプリはiPadでのみインストールが可能となっています。
Androidは全てのもので確認が可能なものの、Galaxy S8+でインストールしたところ、表示が崩れてしまっていたのでAndroidの場合は推奨環境のNexus 7がお勧めかもしれませんね。
CCUの関連アプリケーションは次の3種類存在します。→ プレスト引用
YRC Setting |
---|
大型カラー液晶のメーターユニットと左右ハンドルスイッチで走行モードの選択/設定を行うYRC (ヤマハ・ライド・コントロール)のセッティングをタブレット・スマートフォンからも設定/選択をすることができるアプリケーションです。さらに詳細な独自のセッティングデータを作成し、マシンにアップロード/保存することができます。 保存したデータを同じマシンに乗る友人同士で交換するなど、情報共有することでより楽しむことができます。 |
CCU Config |
サーキット走行をより楽しむためYZF-R1Mに装備されているCCU(コミュニケーション・コントロール・ユニット)に、コース上へスタート/ゴールのレコードラインを、タブレット・スマートフォンを用いて設定するためのアプリケーションです。 設定されたレコードラインとGPSロガーにより、高い精度で自動的にラップタイムの記録ができます。また走行中に記録する各種データのサンプリングレートを変更することができます。 |
Y-TRAC Data Logger |
Y-TRACはCCUに収集されたマシンの走行情報を表示するためのビューワーアプリケーションです。 マシンの走行情報として、車速、エンジン回転数、アクセル開度、バンク角、ブレーキ圧力のほか、トラクションコントロール、スライドコントロールなどの制御が、分かりやすいグラフとして表示されます。 さらに位置情報とあわせることで、コーナー進入から脱出までのブレーキ圧、車速、走行ライン、バンク角、スロットル開度、ブレーキングポイントなどの情報を視覚的に捉え、ラップタイムを向上させるベストラインを探すことが可能です。 |
YZF-R6 2017で利用できるのは、CCU ConfigとY-TRAC Data Loggerのみとなります。
YRC SettingはそもそもR6に液晶メーターが有りませんので、利用できなくて当然ではありますね。
Y-TRACをR6にて利用した図
接続
モバイルデバイスと、YZF-R6に搭載したCCUユニットを接続する場合、Wi-Fiルーターに繋ぐ感覚で接続します。
車体本体の電源を入れると、モバイルデバイス上でWi-Fi一覧に”YAMAHA MOTOR CCU D000XX”と接続先が表示されるので、此方に接続します。
Wi-FiのパスワードはCCUユニットに記載が有る”S/N”の番号が設定されています。
利用
Galaxy S8+でインストールしたところ、見えない部分が出てきてしまってとても宜しくない状態だったので、自宅で眠っていた化石iPad miniを引っ張り出してきました。
iPad miniでの表示は流石iOSアプリで、業務用感が少なくいい感じに表示されています。
しかし、抽出したデータファイルの名称変更やその他一部変更が行えなかったり、やはり推奨はAndroidなんだなと感じさせる動作となっているようです。
右下に残りの容量が記載されています。CCUユニット自体には4GBほどのストレージが入っているようで、おおよそ200kmほど走った一回分のファイルは3MBほどとなるようです。
また、一度車体からモバイルデバイス本体にデータをダウンロードすると、車体からは自動的にデータファイルが削除されるようです。
そう考えると結構沢山本体にデータが保存がされるようですね。
横画面で利用し、左上にマップと位置情報、右上にABSやTCSが動作した時のグラフ、右下にその位置でのデータ、左下にそのデータを数値として表した物が表示されています。
位置情報の制度としては、Androidのマップアプリで行う事が出来る”タイムライン”の位置ロガーよりも正確にロギングできており、日常での位置ロギング用途だけでもバッチリ活用できるように感じました。
また、父親と私で同区間を同じようなペースにてR6で走ってみた所、アクセル開度などが全く異なっており、”データ”で走りの違いを見ることが出来るのは若干感動ものでしたね。
YZF-R6でCCUを使う事についての総評
飽きたら売ってしまおうと思っていましたが、位置ロギング用途だけでも結構使えてしまうので、悩ましい所ですね。
正直YZF-R1Mを購入した方も、CCUのユニットとシングルシートカウルを一式で売ってしまっている方もヤフオクを見ていると居るようです。
確かにこれはサーキットに行く方やモバイルデバイスが有る程度は使える人でないと楽しく無く、利点に感じる事が出来ないかもしれませんね。
幸いにも私は携帯電話関連が好みなので、ガジェットとして取り扱う事が出来てとても楽しい気持ちになりました。
また、本カーボンのR1M純正シングルシートカウルも序に装着する事が出来たので、満足ではあります。
活用していきたい所ではありますね!
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