マツダ ロードスターRF(NDERC)の3型に新型アドバンストキーの登録を行った
こんばんは。前回キーを登録したい旨の記事と、診断機の様子を見た記事を掲載しましたが、新キー本体を入手した上で登録完了まで無事終えることが出来ましたので内容を掲載しておきます。
基本的に公式手順に沿って行ったつもりではありますが、内容の注意点として、一般に公開されている内容ではないものの、購入しようと思えば買える整備解説書に載っているようなレベルの内容となるかと思います。また、フォード車と手順はほぼ共通なので、フォード車に絡めて調べるとネット上では色々出て来ますのでご安心ください。
加えて、旧キー採用車に新キーを登録する内容は、新キーをマーケティングで利用しているように見える関係上、マツダの公式見解上では推奨されている行為ではないような印象を受けます。それにより、販売店に有償無償問わず依頼する場合は原則断られる事が当たり前だと思ってご相談ください。各車・各モデルで状況は違う可能性はありますので、私の環境では実現が可能だった程度に留めて販売店へのご相談をお願いしたく存じます。スマートキー複製をしている鍵屋とかの方が話が早いかもしれないですね。
■実行環境
私の事項環境は以下の通りです。
- ThinkPad X1 Fold / Windows 10 64bit 20H2
- マツダ ロードスター RF (NDERC) 3型
- 旧キーは「SKE13D-02」
- SAE J2534互換インターフェースアダプタ(VXDIAG)
■必要なもの
今回の内容で必要なものは次の通りです。
- Mazda IDS環境(もしかしたら高い汎用診断機ならIDSなしでキー登録もサポートしてるかも)
- イモビライザーコード
- キー2本(新キー/旧キー合算OK)
実行手順
車両とMazda IDSを接続し、「ボデー>セキュリティ>PATS(イモビライザ)機能」を選択します。
ここで「※アドバンストキーの追加登録」を選択したいところですが、私の環境だと2本以上登録が出来なかったので、「※アドバンストキーの消去」を選択し、一旦全てのアドバンストキーを消去してから登録を行いました。こちらのF&Qでは3本目を追加できる案内があるので、私のやり方が悪かったんでしょうかね。後日試してみます。
「アドバンストキーの消去」を選択
スマートスタートユニット(SSU)と通信する為には、イモビライザーコードを利用しセキュリティの一時解除しなければなりません。
ここに表示されるイモビライザーコードの内容の1つとなるアウトコードはセキュリティアクセスを行う度に変更されます。防犯の為かインコード入力画面が出るまでに7分放置しなければなりませんでした。また、7分経過後にホーンが「プップッ」と短く2回鳴ります。
イモビライザーコードは販売店の業務サイトより参照出来るようですが、日本国内で一般個人は取得できないようです。ただ、マツダの若干古いモデルだとKeyGenのような形でIDSで受信できるアウトコードを元にインコードを取得できる場合があるようです。ちなみにウチのロードスターRFはその手順では無理でしたので、いろいろと調べ、米国マツダのサブスクリプションを活用しました。
米国マツダは米国マツダ販売車に限り車両情報と整備解説書とパーツリストを全てサブスクリプションの有償で公開・提供しています。米国の一部の州は車のDIY修理を権利として法整備化するような国ですので、このような試みが行われているのではないでしょうか。セキュリティリスクとなりえるとメーカーは主張しているようですが、どのみち一般市場に製品を放出している以上避けられない事ですし、日本でも同じような事を行ってほしいですね。
サブスクリプションで1日34.95USDのコストが必要です。米国マツダのイモビライザーコード発行サイトは原則米国マツダ車のみに提供されていますが、イモビライザーコード自体は日本のモデルと同じ計算式で算出されているようでした。VIN(車体番号)のみ少し捻った入力をしなければなりませんでしたが、それ以外はIDSの表示内容で通り、発行依頼から15分後にメールで受信できました。
消去の流れに沿って行くと、登録本数0本になった状況から登録フローに移行します。
登録本数0本の状態だと全くエンジンを掛けたりなんだりは出来なくなりますので作業環境に注意してください。
アドバンストキーの登録フローはIDSより案内があります。基本的にはIDSの指示に従いながら、プッシュスタートボタンにキーを翳す内容になります。
2本の登録を終えると、イモビライザー登録の為か1本ずつ翳しながらエンジンを掛けるようにと指示があります。
2本とも完了すると、以下のように動作確認をするようにとの案内があり、登録終了です。
可能車両考察
私は変更された境目になる3型のロードスターRFにて試しましたが、マツダ車の区分としてロードスター等の第六世代、Mazda 3(BP)などの第七世代も総じて車両側のキー管理システムのハードウェアには大きな変更がないのではないか此方の内容に誤りが有りましたので追記しましたと感じています。
根拠としては、アドバンストキーのシステムを設計していると思われる「三菱電機株式会社姫路製作所」がFCCへ提出する資料を確認すると、マツダ車に採用されているスマートキーシステムの名称が「SKE13」となり、特に新しいマツダ向けのスマートキーシステム更新が無いように見受けられる状態此方の内容に誤りが有りましたので追記しましたで、新規に今回の新キーであるモデル名「SKE13D-03」だけが新規に認証提出されている状況です。旧キーの形状となる「SKE13D-01」と「SKE13D-02」の違いが分かりませんが、どちらにしても車体側もキー本体側も「SKE13システム」である事には変わりがないようです。なので、車体側のスマートキー関連のハードウェアにはほぼ変更がないと考えています。
と言うことは適切な処理ができる診断機などが有れば、旧キーの「SKE13D-01」と「SKE13D-02」が装備されている「SKE13システム」を採用した車両であれば、マツダの新キーである「SKE13D-03」を登録できるのではないかと私は考えています。ここではソフトウェアの差異は考えていないので、結果的に登録できないなど間違っていたらすいません。
仮に考察が合っていれば結構範囲は広そうですよね。参考にしていただければと思います。
2021/03/12追記
「三菱電機株式会社姫路製作所」のFCCの提出内容を再度見ていると、マツダ向けのスマートキーレスシステムは「SKE13シリーズ」以降に「SKE11シリーズ」でも申請登録が有りました。誤った内容を記載してしまい申し訳ありません;
その内容を見ると、SKE11シリーズで利用されるスマートキーレスのキー本体は、SKE13シリーズで新たに申請された新型キーの形状と完全に一致しているようです。
真相はマツダの関係者しか分からない所ではありますが、「SKE11シリーズ」のスマートキーレスシステムを搭載した車両(Mazda 3(BP)などの新世代車両)のみで新型アドバンストキーを提供する予定であった所、色々な事情と商品改良の中で旧モデルの「SKE13シリーズ」のスマートキーレスシステムを搭載した車両(アテンザ・ロードスターなど)でも新型アドバンストキーを装着できるように、後から「SKE13シリーズ」でハードウェアを作ったのではないかと思われる動きをしているように感じ取れました。
それにより、新世代車両のMazda 3(BP)などで利用されている「SKE11シリーズ」の新型アドバンストキーを入手してしまうと「SKE13シリーズ」のスマートキーレスシステムを搭載した車両では登録は出来ないと考えられますし、また逆も同じです。中古品などを入手する場合はお気を付け願いたく感じます。
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